水溶性の緑


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自作鉄分添加液をつくる
2009/07/02 23:12

「私には難しいことは分かりませんが」
ちゃあざあ村出身(ウソ)の車輪です。

鉄分と言えば、
メネデールECAが有名ですが、
今回はそれと似たような液肥を文系で
化学など全く分からない私が作ってみようというわけです。

ただし、正確に言うと、
メネデールは鉄の2価イオン(Fe++)として含む水溶液。
ECAの成分はよく分かりませんが、
「天然抽出の有機酸と、水草に吸収されやすい形の鉄を主に主成分とする…」
ということで、今回作るものとは微妙に違うものである可能性が高いです。

真似される方は自己責任でお願いいたします。

今回、私が作るのは【クエン酸鉄】というもので、
まず、これについて説明します。

私のようにちゃあざあ村(しつこい)出身の
「化学など分からないよ〜」という方は、
下の方の作り方に行ってください。
私も正確にはよく分かっていません(笑
(ちょっと長いです)




これは、米国の海洋学者ジョン・マーチンの研究において、
「硝酸塩やリン酸塩が世界一豊富な南極海で
植物プランクトンが少ないのはなぜか?」
という疑問から
海水に鉄を加える実験で植物プランクトンが大量に発生することを
証明したという事実をベースにしています。

近年、北海道西部の日本海沿岸で、海底の岩肌が
真っ白に変色する「磯焼け」という現象が発生し、

食物連鎖の底辺にある海藻や植物プランクトンが減少、
その結果、これを餌とする沿岸の魚が姿を消して、
漁業に深刻な影響が出ているそうですが、

その海洋の磯焼けの原因は鉄分不足にあり、
その理由を説明するカギがフルボ酸鉄と言われています。

海中の藻や植物プランクトンの成長には、窒素が
不可欠ですが、この窒素を吸収するためには、
触媒の働きをする鉄が必要となります。

しかし、海水には、極微量の鉄イオンしか存在せず、
川からの供給が減少すると鉄不足となってしまうのです。

では、どうやって森の鉄が海へ運ばれのか。 

森では、地上に落ちた葉や枝が微生物によって分解されますが、
このときにフミン酸や、フルボ酸といった腐食酸と言われるものができます。
このフルボ酸(さらにそれらの化合物中にある
カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基)が
腐植土の中の鉄と結合して、酸化鉄から鉄イオンになって離れ、
植物に吸収される性質を持つ「鉄の錯体フルボ酸鉄となります。

通常、鉄は、イオンのままでは、川で運ばれる途中で、
酸素に触れて鉄粒子に変わってしまいます。

しかし、森でフルボ酸と結合した鉄イオンは、
フルボ酸鉄として鉄イオンのまま川を下って海へ到達するのです。

そこで、植物プランクトンや海藻が
養分を吸収できるように働くのがフルボ酸鉄ということです。

近年、「海は森の贈り物」などと言って漁場を守るために
植林をするという活動は、このような理由に基づいているんですね。

しかし、このフルボ酸鉄がどのように酸化鉄から変るかの仕組みは
まだ正確には解明されていないため、
フルボ酸鉄とほとんど相似のクエン酸鉄
人工的に作って同じような効果を得ようというわけです。




ね。長いでしょう?
私が冒頭に言ったような気持ちになりませんでした?

とにかく良く分からなくても、
海洋の植物プランクトンや海藻に有効に働くなら、水草にもいいはずだ!
という安直な発想のもと、作ってやってみようと。
(実際に河川などにこのクエン酸鉄を流すという環境保護活動もあるみたいです)

ではここからが作り方です。
【クエン酸鉄の作り方‐用意するもの】
画像
空の2リットルペットボトル

画像
使い捨てカイロ(使用済みでも可)
別に貼るタイプである必要はありません。
今の時期、薬局にあまり商品がなかっただけです。

画像
無水クエン酸
薬局のレジで「クエン酸ください」と言いましょう。
商品棚にはありません。
どうやら普通にスーパーなどでも販売されているようです。
見当たらない場合は「電気ポットの洗浄剤」でも代用可能です。
(主成分がクエン酸なので)

【クエン酸鉄の作り方】
1.
ペットボトルに1.8リットルの水(水道水でも飼育水でも何でも可)を入れ、
次に、無水クエン酸 5gを入れてよく溶かします。
画像

2.
使い捨てカイロの中身全部を、ペットボトルに入れます。
画像

3.
蓋をしないで、24時間放置します。
画像

…これだけです。
簡単ですね。
金額も1回分で約120円で出来ました。

元々海洋の水質改善用なので、もちろん海水にも使えます。
効果としては植物の鉄分吸収を助ける活性剤なので、
メネデールとほぼ同じ。陸上の植物でもいけると思います。

とりあえず明日が楽しみです。
これが効くなら今度からメネデールやECAいりません。

…「普通自作するならカリウム水溶液が先だろう!」
というツッコミはなしでお願いします(笑

だって見つけちゃったんだもの。
アクアリストとしてはやるしかないでしょう。







【なぜカイロを使用するのかについての補足説明】

コメ欄でも、純粋な鉄粉や砂鉄を使用する方法や、
水槽内に釘などを直接入れるなどのご意見・ご感想がありましたが、
なぜ、あえてカイロなのかについて補足解説いたします。

コメでも指摘されている通り、カイロの中身は鉄粉だけでなく、
活性炭や塩分が入っています。

今回の【クエン酸鉄】を作るやり方は、
カイロが発熱する仕組みをうまく利用しているため、
純粋に鉄だけをクエン酸に投入した場合より、
早く、確実にクエン酸鉄が得られるという利点があります。

そもそも、カイロは鉄の酸化による化学反応の熱を利用するものです。
活性炭や塩分はその酸化反応を加速する為に入っています。

塩分によって、電気伝導性がよくなることと、
鉄に塩化物イオンが結合(配位結合)して鉄のイオン化を助けるためです。
活性炭は、電極として、又、酸素の保持材として作用します。

具体的な反応の中身は、
カイロの中身の鉄粉と炭素を電極として、塩分は電解液となって
電池作用を起こし、鉄は二価の鉄イオンに変化。
Fe → Fe2+ + 2e-
この反応で生じた電子が活性炭上で、水に変化。
1/2O2 + 2H+ + 2e- → H2O

(↑ここまでがカイロで起こる鉄の酸化反応)
この反応で生じた、二価鉄イオンとクエン酸が結合し、
安定した二価鉄イオンを持つクエン酸の鉄キレートを作るのです。

という理由で、カイロが使われております。
お分かりいただけたでしょうか?
(私はちゃあざあ村出身なので…ry)
ともあれ、活性炭や塩分は、
クエン酸鉄を作る為に必要な成分であったわけですが、
これが水槽内の水質にどんな影響を与えるのかについては、
また別の話です。

それは、これから自分の水槽で身をもって体験していきます。

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